乳児の薬の飲ませ方 ~1ヶ月から1歳未満~
基礎知識
生後半年くらいから服薬を嫌がる頻度が上がる
離乳食開始前の生後半年以内は本能的に何でも飲み込もうとするので、それほど難しくないですが、生後半年くらいから味覚の発達や自我の芽生えにより、徐々に服薬を嫌がる頻度が上がります。1歳の誕生日前後がピークだと言われています。
お薬を食事・ミルク・おっぱいの前に飲ませる
お薬は「食後」で出されることが多いですが、必ず食後に飲まなければいけないわけではありません。食後におなかがいっぱいで薬を飲めない場合や、ミルク・おっぱいの後に薬を飲ませて、げっぷと一緒に薬を吐いてしまう場合があります。小児の薬の多くは食前に飲んでも大丈夫なので、ぜひ薬剤師にご相談ください。
(※まれに食後に服用すべき薬もあります)
朝昼夕の間隔は完璧でなくて大丈夫
無理に起こして飲ませる必要はなく、少し時間がずれても大丈夫です。例えば、1日3回(朝、昼、夕)のお薬は、前に飲んでから4時間以上あいていれば問題ありません。また1日2回(朝・夕)のお薬は、前に飲んでから6~8時間あけていれば大丈夫です。授乳時などに合わせて飲ませましょう。
粉薬の飲ませ方
小さなお子様の場合、粉薬の味やざらつきを嫌がり、飲めないことがあります。飲ませ方の工夫をご紹介します。お薬を水や飲食物に混ぜる場合、混ぜてから時間が経つと成分が溶け出して苦くなってきますので、お薬は飲ませる直前に1回分だけを混ぜるようにし、作り置きはしないでください。
少量の水に溶かす
- 薬を小皿に置く
- 少量ずつ水を加え、シロップ状(液体)に溶かす
- 哺乳瓶の乳頭やスポイトを使用し飲ませる
- スポイトを使用する場合は、口の手前に入れると舌を出すのでなるべく奥に入れて、少しずつ飲ませる
- 飲み終わったら、水や白湯、ミルク、母乳を与えて、薬を流してあげる
練り団子をつくる
- 小皿に粉薬をあけ、スポイトなどで1滴ずつ水を加えて、ペースト状(団子状)に練る
- 手をきれいに洗って、練ったお薬を指先につけ、口の中(上あごや頬の内側)に塗りつける
- 水や白湯、ミルク、母乳を与えて、水分と一緒に薬を飲み込ませる
好みの食べ物に混ぜる
- 粉薬に好みの食べ物を少量(スプーン1~2杯位)加えて食べさせる
- 口の中に薬や食べ物が残らないように、飲み物を飲ませる
- 均一に混ぜるよりも、粉薬を挟むようにして食べさせるとよい
シロップ薬の飲ませ方
シロップ薬は、飲ませる前にビンを軽く振り中身を均一に混ぜます。ただし、激しく振ると泡立ってしまうので注意しましょう。
スプーン
薬をスプーンに入れて、スープを飲ませるときのように飲ませます。
吐き出してしまうこともあるのでスプーンは心もち奥に入れ、ゴクンと飲ませるように。
スポイト
薬をスポイトで吸い上げ、赤ちゃんのほおの内側に流しこみます。
赤ちゃんの頬っぺたの内側に一滴ずつ垂らして入れてあげましょう。
哺乳瓶の乳首
哺乳びんの乳首を先に吸わせておいて、吸い始めたら量ったシロップを入れてあげるとスムーズに飲めます。
小さめのコップ
少し大きくなった子なら、小さめのコップなどにシロップ剤をうつしてそのまま飲ませます。
甘みをいやがって飲みたがらない子には、飲み残さない程度の水で薄めても良いです。
※シロップ薬と粉薬が一緒に処方されているときシロップ薬に粉薬を溶かして飲ませることもできます。ただし、混ぜてから時間が経つとお薬の成分が変化してしまうことがあるため、お薬は飲ませる直前に1回分だけを混ぜるようにし、作り置きはしないで下さい。
幼児の薬の飲ませ方~1歳から5歳未満~
基礎知識
お薬を上手に飲めたときはほめてあげましょう
お薬を飲めないとつい叱ってしまいがちですが、叱られたことでそれが嫌な思い出となってしまい、お薬が嫌いになってしまうことがあるので気を付けましょう。褒めてもらうと子どもは嬉しくなり、次も嫌がらずにお薬を飲むようになることがあります。
お薬を食事の前に飲ませる
食後だと、おなかがいっぱいでお薬を飲めなかったり吐いてしまうことがあります。お薬は「食後」で出されることが多いですが、子ども用のお薬は空腹時に飲んでも副作用や効果に影響があるようなお薬が少ないため、食前に飲ませるといった方法もあります。ぜひ薬剤師にご相談ください。(※まれに食後に服用すべき薬もあります)
内服薬の間隔の取り方
1日2回のお薬は、朝と夕(例えば朝7時頃、夜7時頃)、1日3回のお薬は起きている時間を3等分して(例えば朝8時頃、昼2時頃、夜8時頃)飲ませます。保育園や幼稚園などで昼飲めない場合は、行く前と帰ってからと寝る前などのように3回飲ませる方法もあります。保育園の帰りが遅いなどでどうしても時間が合わない場合は、1日2回飲めば良いお薬もありますので、医師にご相談ください。
粉薬の飲ませ方
小さなお子様の場合、粉薬の味やざらつきを嫌がり、飲めないことがあります。飲ませ方の工夫をご紹介します。お薬を水や飲食物に混ぜる場合、混ぜてから時間が経つと成分が溶け出して苦くなってきますので、お薬は飲ませる直前に1回分だけを混ぜるようにし、作り置きはしないでください。
少量の水に溶かす
- 薬を小皿に置く
- 少量ずつ水を加え、シロップ状(液体)に溶かす
- 哺乳瓶の乳頭やスポイトを使用し飲ませる
- スポイトを使用する場合は、口の手前に入れると舌を出すのでなるべく奥に入れて、少しずつ飲ませる
- 飲み終わったら、水や白湯、ミルク、母乳を与えて、薬を流してあげる
練り団子をつくる
- 小皿に粉薬をあけ、スポイトなどで1滴ずつ水を加えて、ペースト状(団子状)に練る
- 手をきれいに洗って、練ったお薬を指先につけ、口の中(上あごや頬の内側)に塗りつける
- 水や白湯、ミルク、母乳を与えて、水分と一緒に薬を飲み込ませる
好みの食べ物に混ぜる
- 粉薬に好みの食べ物を少量(スプーン1~2杯位)加えて食べさせる
- 口の中に薬や食べ物が残らないように、飲み物を飲ませる
- 均一に混ぜるよりも、粉薬を挟むようにして食べさせるとよい
錠剤の飲ませ方
錠剤は、お子さまが6歳頃から飲ませ始めるのが良いでしょう。錠剤を飲めるようになる年齢には個人差があり、また錠剤の大きさによっても異なるので、焦らず個人のペースでチャレンジしていきましょう。
- お子様の上体を起こします。寝かせたまま飲ませると、喉に詰まらせてしまう恐れがあります。
- 錠剤は口や喉にくっつきやすいため、少量の水を飲ませて口の中を湿らせます。
- 舌の奥のほうに錠剤を置き。そのあとすぐに水を飲ませます。
- 飲んだあとは、口の中に錠剤が残っていないかを確認してください。
水で飲めない場合
- 食べ物を飲み込む直前に錠剤を口に入れ、食べ物と一緒に呑み込ませます。
- ゼリーやプリンなどなめらかな食べ物と一緒に飲ませます。その際、錠剤を食べ物で挟むようにして 飲ませるほうが良い。
※服薬捕食ゼリーは錠剤にも使う事ができるが、こんにゃくゼリーのような弾力のあるゼリーは、のどに詰まらせてしまう恐れがあるので一緒に飲ませないようにして下さい - 錠剤を砕いて飲ませる方法は、お薬によっては割ったり砕いたりしてはいけないものがあるため、薬剤師に相談してください
座薬の使い方
- 使用する前に室温に戻しておくか、少し手で温めます。
- 医師からの指示量の座薬を準備します。1回1/2個や2/3個などの指示がある場合は、ハサミやカッターで座薬を切り、先の尖った方を使用します。切る際は袋を開けず袋の上から切って下さい。
- 先のとがった方から肛門に入れ、しっかりと押し込みます。
- 入れた後、坐薬が出てしまうことがあるので、30秒程度肛門を軽く押さえて下さい。
入りにくいとき
坐薬の表面に、水または、オリーブオイル、ベビーオイルなどをつけると滑りやすくなり肛門に入れやすくなります。
便と一緒に坐薬が出てしまったとき
挿入後すぐに便と一緒に坐薬が出てしまった場合は、もう一度同じ坐薬を入れてもかまいません。しばらくたって便が出た場合は追加しない方がいいでしょう。挿入後30分以上たっていれば、ほとんど吸収されているので、そのまま様子をみてください。
2種類の坐薬を使用する場合
<アンヒバ坐薬とダイアップ坐薬の場合>
けいれんを抑える効果が弱まらない様に、先にダイアップ坐薬を入れ、30分以上間隔をあけてからアンヒバ坐薬を使用します。
<アンヒバ坐薬とナウゼリン坐薬の場合>
嘔気止めの効果が弱まらない様に、先にナウゼリン坐薬を入れ、30分以上間隔をあけてから、アンヒバ坐薬を入れます。